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CDIがONになると左図のようにバッテリーからIGコイルの1次側(巻数の少ない方)に電流が流れます。 次にCDIがOFFになると右図のようにIGコイルから点火プラグに電流が流れます。(コイルに流れる電流が反対向きになります。コイルの性質で、今まで流れていた向きと反対に電流が流そうとするのです)この時、流れる電流は巻数の多いコイル(2次側)も通ります。それで高い電圧が生じるのです。2次側の巻数は非常に多いので電圧が非常に高くなりますから、それに反比例して電流は非常に少くなります。電圧と電流の積が電力になりますが、電力は一定だからです。(エネルギー保存の法則です) 電流が少ししか流れないということは電気抵抗による電圧低下は少なくなります。 (オームの法則) そもそもプラグに繋がる高圧コードは普通の銅線と違い、電気抵抗が大きくしてあります。そして点火プラグにも抵抗が入っています。この値はそれぞれ5kΩ(=5000Ω)程度あるようです。つまり合計で10kΩ(=10,000Ω)ほどです。 ですので右側の回路のアーシングはほとんど意味がないと思います。(相当いい加減な配線でも、その抵抗値は1Ω以下です。10,000Ωに比べてごくわずかです) 直流の「オームの法則」だけでなくもう少し高度な考察、交流回路で考えて浮遊容量による波形のナマリ(鋭い変化でなく、緩やかな変化になる、という意味)も、この部分をアーシングしてもほとんど効果がないように思います。 もしアーシングするなら左側の図の、バッテリーとIGコイル間のアース部分でしょう。 ここは低電圧・大電流になる(かもしれません)ので。もちろんアースだけでなく、バッテリーのプラス端子からCDIユニット、CDIユニットからIGコイルの配線がおろそかでは片手落ちでしょう。コネクタのサビなどもチェックするのがいいと思います。 (上の回路図の説明はCDIがONからOFFに変わった瞬間ですが、実はOFFからONになった時にも逆向きの電流で高圧が生じます。電磁誘導は電流の変化で起きるのです)
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